リートには分配金が毎月決められた日に支払われる毎月分配型と呼ばれるものがあります。小遣いのように毎月お金が入ってくるお得さが高い人気を集めています。毎月分配型リートについては「毎月お金がもらえるからおすすめ」という人もいますし、「資産形成にはあまりメリットがないのでやめたほうがよい」という人もいます。いったいどちらが本当なのでしょうか。今回は人気の高い毎月分配型リートについてまとめてみました。
☆リートの毎月分配型が売れる理由
毎月分配型リートは毎月決められた日に分配金が支払われます。通常のリートの分配金は年に1回ですので、この点が大きく異なるのです。毎月分配型は毎月定期的に分配金を受け取ることができるので、投資に対する効果を強く感じることができます。分配金をつかって家族で旅行にいったり高価な買い物をしたりすれば、儲かっているという豊かさを実感できるのです。そのため毎月分配型は、とても人気が高い商品となっています。
人気の背景には退職後の高齢者が第二の年金として分配金を受け取って老後の生活を安心なものにしたいというニーズがあります。退職金などで大金を手にしても今の低金利では、どう運用してよいのか迷ってしまいます。そんな中、比較的リスクも低い毎月分配型リートに投資すれば、後は放っておいても毎月分配金が受け取れるという手軽さが受けているのです。
☆毎月分配型に潜むデメリット
毎月分配型リートにはデメリットもあります。そのひとつが、複利効果がないことです。不動産投資信託であるリートのメリットは、複利の効果を利用して資産を増やすことができる点にあります。しかし毎月分配型のリートは投資の利益を配当に回してしまうので、複利効果を得ることができないのです。
また毎月分配型の場合、毎月支払われる分配金が利益ではなく元本の取り崩しであることもあります。本来分配金はリートが儲けた利益の中から分配するものです。しかし毎月分配型では、儲かっていない場合でも元本を取り崩して特別分配金として分配することがあります。特別分配金が多いリートは運用に失敗しているということであり、そのリートの商品価値はどんどん下がっていることになります。そのためそのリートを売却した場合に大きく損をしてしまうこともあるのです。
☆毎月分配型と再投資型の違い
リートには毎月分配型の他に、再投資型と呼ばれるものがあります。毎月分配金型は毎月決まった日に分配金が支払われるタイプです。これに対して再投資型とは本来分配されるお金を分配せずに同じリートに再投資するタイプです。
1年目に出た利益は分配されずに2年目も同じリートで運用され、2年目に出た利益は3年目も同様に運用されます。これを繰り返すことで、同じ利回りであったとしても1年目よりも2年目、2年目よりも3年目と利益はどんどん大きくなるのです。
再投資型はこのように複利の効果を最大限に利用して雪だるま式に資産を増やすことが可能です。分配金を受け取ってもただ銀行に預けるような場合は、分配金を受け取らずにそのまま再投資した方が投資効果は高いといえます。
☆目先の小さな利益を取るか将来の大きな利益を取るか
毎月分配型がいいのか、再投資型がいいのかということについては、投資の目的によって違ってくるでしょう。つまり目先の1万円をとるか、それとも将来の100万円をとるかということになります。
長期投資の予定のない年配の方が毎月の小遣いにあてたいということであれば毎月分配型の方が向いているといえるでしょう。毎月決まった日にお金が入ってくるというのはとても安心感があります。
また若い方が資産形成のために長期の投資をするなら再投資型の方が向いているといえるでしょう。複利の効果を利用して雪だるま式に資産を増やすことができます。
長期的に資産を増やすなら再投資型、毎月の生活を少し豊かにしたいなら毎月分配型がおすすめです。自分の投資目的やこれからのライフステージを考慮しながら、毎月分配型にするのか再投資型にするのかしっかり検討しましょう。
【記事筆者】
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